兵庫県立美術館では、大阪・関西万博 関西パビリオン「兵庫県ゾーン」と連動し、兵庫におけるSDGsの取組みを体験型展示を展開されました。シーマは、万博会場の兵庫県ゾーンに加え、美術館においても映像音響機器のシステム設計・施工・メンテナンスを担当。さらに、両会場をつなぐ双方向映像ネットワークの構築も手がけました。
兵庫県立美術館では、2025年4月6日から10月13日まで、ギャラリーにおいて「ひょうご EXPO TERMINAL」が開催されています。兵庫のSDGsの取組みを体験型展示で紹介しています。美術館らしいアーティスティックな造作展示を主体に、効果的な場面では映像も活用。シーマは、映像音響機器の納入および双方向映像ネットワークの構築を通じて、来場者の体験価値を一層高めました。
ひょうごフィールドパビリオン︓https://expo2025-hyogo-fieldpavilion.jp/exhibition/museum/
「ひょうご EXPO TERMINAL」は、来場者が参加・体験しながら、ひょうごの魅力を楽しく学べる展示空間です。入口すぐの「ミライのひょうごゾーン」では、子どもたちが主体となって発信・共創したデジタルアートが展示され、創造性あふれる作品の数々が来場者を迎えます。
「こんなひょうごに住んでみたい」をテーマに県内の子どもたちから募集した絵画や、来場者が描くアート作品を、壁の高さ約6m、幅約10mの3面にわたって投影しています。Panasonic製12,000lmのプロジェクター「PT-REZ12JLB」3台を使用し、近くからでも大画面で投影できるよう、超短焦点ズームレンズを採用しました。
ミライのひょうごゾーンを抜けると、兵庫のSDGsの取り組みを体験できる「フィールドパビリオンゾーン」が広がります。このゾーンは大阪・関西万博の「ひょうごフィールドパビリオン」と同じテーマをもとに、それぞれの地域資源や特色を紹介しています。
ここでは、大阪・関西万博 関西パビリオン「兵庫県ゾーン」とリアルタイムでつながる赤いドア「ひょうごコネクトゲート」が登場。建物の構造上、光ケーブルが使えない環境でも、LTEルーターを複数使用して通信回線を束ねて接続の安定性を確保しました。さらに専用VPNで拠点間を直接つなぐことで、外部サーバーを経由せずに低遅延かつセキュアな双方向通信を実現しました。
大阪・関西万博 関西パビリオン「兵庫県ゾーン」事例ページ︓https://www.cima-net.co.jp/case-study/system/17872
また、但馬牛の魅力を伝えるコーナーでは、肉質の違いや特徴をわかりやすく解説する映像コンテンツにより、ブランド牛としての価値を来場者に伝えています。加えて、兵庫県内のユニークな取り組みを紹介する「兵庫の宝探しプロジェクト」の入賞事例展示もあり、地域の魅力を再発見できるコーナーとして注目を集めました。
シーマでは、さまざまな業界や空間において効果的な映像演出を実現する映像音響機器を幅広く取り揃えています。双方向映像通信システムをはじめとするネットワーク関連の技術力も当社の強みです。さらに、導入後もトラブルなく安定してご利用いただけるよう保守・メンテナンスにも対応しております。まずはお気軽にご相談ください。
お問合せフォーム︓https://www.cima-net.co.jp/contact
株式会社シーマ
プロダクト開発推進グループ 田井 源太郎
今回の「ひょうごコネクトゲート」での2拠点双方向映像の常時接続には、二つの大きな課題がありました。
まず、建物の構造上、光ケーブルが使えない点です。さらに、建物の窓すべてに赤外線反射フィルムが貼られており、携帯電話の5Gや4G高速電波を反射してしまいます。
そこで今回は、LTEルーターを複数用いて、複数の通信会社の4G LTE回線を束ねることで、安定した通信環境を実現しました。
もう一つの課題は映像の遅延問題です。
当初はシーマ所有のクラウドシステムを利用して映像転送を試みましたが、クラウド経由では兵庫県立美術館側の映像に遅延が生じ、双方向での円滑な会話が難しいことが判明しました。
そこで、大阪・関西万博側と兵庫県立美術館側を閉域網(VPN)で直接接続する方式に切り替えました。万博側はNTTのOCN回線、兵庫県立美術館側はドコモ1回線とソフトバンク2回線を使用しています。これらの通信回線を、キッセイコムテック株式会社様のMICE-NETデータセンターで束ねて使用しています。
複数の通信会社の回線を束ねて双方向映像の送受信を行うのは、業界初の試みと考えられます。
この方法により、臨時光回線を引くことが難しい屋外中継でも、安定かつ低コストな中継が可能となりました。その結果、遅延を感じさせることなく、2拠点間の双方向映像の常時接続を実現することができました。
このように、建物や環境の制約がある中でも安定した双方向映像システムの構築が必要な方は、ぜひご相談ください。お客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。
大阪・関西万博︓https://www.expo2025.or.jp/
ひょうごフィールドパビリオン︓https://expo2025-hyogo-fieldpavilion.jp/exhibition/museum/
兵庫県立美術館︓https://www.artm.pref.hyogo.jp/